磁石

文体混同

コノシロ配列(2021/04/25版)の作られ方

私はもともと新下駄配列*1を使おうと思っていたのですが同時打鍵が肌に合わず、同手シフトを採用しているぶな配列*2を使おうかと検討していました。ですが「ら」「れ」が同じ指にあること、長音符がシフト面にあることなど個人的に不満になりそうなところがあったので、自分で作ることにしました。

使うキー

まず、英語配列でも使えるようにします。私が使っているからです。そして、3段配列にします。数字は単打で打ちたいからです。すると、使えるキーはこのようになります。

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この内、上段の一番右側、pの2つ右は遠いので文字は置かず、シフトキャンセルキーとします。

シフト方式と句読点

とりあえず決まっていることは順次打鍵であるということです。すると、必然的にシフトキーには句読点くらいしか置けません。ですが、句読点を置くと実装の問題からe-typingなどで遊べなくなる(遊べるが句読点入力するとミス判定になる)ので、何も置かないことにしました。

別置について

清音濁音拗音外来音はすべて別の位置に置くことにします。

理由として、まず清音と濁音の別置ですが、これに関してはもし濁音が同置だった場合、濁音というシフトキーと同じかそれ以上に出現率が高いものが一つ増えるというのと、シフト面に清音がある場合3打かかってしまいます。濁点前置にしても、同置の利点である覚えやすさが半濁音によって失われてしまいます。*3

外来音の別置ですが、外来音はその性質上文章によって出てきたり出てこなかったりが激しいです。出てきた場合、ぁぃぅぇぉをいちいち押さないといけません。なので、少しでもカタカナ語に強くするために外来音別置にしました。ただし、限られたものだけにしました。

拗音の別置についてですが、もともとコノシロ配列は「ゃ」「ゅ」「ょ」を後付けしていました。そしてそれらは拗音の打ちやすさ的に全て表にありました。ですが、もともと「ょ」と「ゅ」のあったrとb(現在はtとb)をシフトキーにすると一つ単打が開く事に気がついたので、拗音別置としました。

シフトキーの場所

シフトキーの場所は中段中指です。理由としてはまずシフトキーはその性質上最も押す頻度が高いので押しやすく、疲れにくい指が担当するところ、つまりdfjkのどこかです。この内、fjの人差し指は担当キーが多く同指連打が多く出てしまうので、dkにすることにしました。また、同手シフトも採用します。順次打鍵ではシフトキーを一つ増やすということは単打が一つ減るということになるのでそこまでシフトキーを増やせません。しかもシフトキーなのでいい位置に置く必要があります。それは避けたいので同手シフトも採用しました。

拗音のシフトキーの場所は作りながら決めます。前述のとおりコノシロ配列はもともと拗音シフトがなく、「ゃ」「ゅ」「ょ」後付けだったので、拗音の出現率を見ながら決めていきます。

データ

作るにあたって必要なデータは新下駄配列に使われたもの*4と、月見草*5に使われたもの*6を使いました。後者に関しては自分である程度見やすいように編集して使いました。ただ全部やろうとすると骨が折れそうだったのである程度のところまでやってあとは前者に頼りました。

各キーの押しやすさ

あくまで押しやすさです。指の強さなどは考慮せず、私の感覚での結構大まかな各キーの押しやすさです。数字が大きいほど押しにくいという評価です。

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また、kjよりもqのほうが良いという単打主義的な考えになっています。

制作

実際に作っていくのですが、コノシロ配列の単打面は新下駄配列に非常に影響されており、その開発記とほぼ同じようなことを書くことになるので単打面は主に違うところを書いていきます。また、アルペジオ>交互打鍵です。一応現在のコノシロ配列(2021/04/25版)を載せておきます。

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出現率10位くらいまで

 まず、シフトキーがあるので、「か」がs、「の」がa、「い」がl、「な」が:に移動します。「い」「な」の位置と「な」-「し」がよく出てくるので「し」は長くて強い中指のiに置きます。あいた;に「と」を起きます。「く」は「い」と連なりが比較的出現率上位の中でも少ないので、oに置きます。

人差し指のmに「う」と連なりが少なく「い」と連なりが多い出現率が高い「た」を配置します。nにいた「て」は「か」との連なりが少なく、また「か」との連なりが少ない文字はかなり出現率が下がります。wは長い薬指を生かして相当押しやすいキーなので、wに「か」を置きます。残っていて出現率が高い「に」をeに置きます。

出現率25位くらいまで

「い」と連なりが少ないもう一つの文字として「こ」があるので、これを「い」と同じ薬指の.に置きます。「は」は「う」「た」と連なりが少ないのでnに置きます。

x-rの運指は良いとは言えないですが「す」との連なりを優先してxに「で」をおきます。

「き」は「う」「た」「は」との連なりが少ないのでh、「が」は「と」「な」との連なりが少なく「い」との連なりが多いので/、「も」は「う」「と」との連なりを優先して,に置きます。

拗音

このあたりで拗音を決めていきます。月見草作成に使われたデータでは「ょ」がこのあたりにでてきているからです。右手に置くと同手シフトが1つずつになるので拗音シフトキーを右手においていきます。

拗音は数が多いので流石に規則的に置きます。どうするかというと「ゃ」を人差し指位置に、「ょ」を中指薬指位置に、「ゅ」を小指と同手シフト位置に置きます。これは「ょ」「ゅ」が「う」と非常に多く連なるからです。「ょ」は「ゅ」よりもたくさんでてくるので中指薬指位置にしました。

また、「い」=1、「き」=2、「し」=3、「ち」=4、「に」=5、「ひ」=6、「み」=7、「り」=8、「ぎ」=8、「じ」=9、「ぢ」=10、「び」=11、「ぴ」=12というふうに番号をつけて、図のような順番で拗音を配置することにしました。

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出現率30位くらいまで

「ら」は「う」「は」「き」とはあまり連なりないですが「た」と比較的よく繋がります。ですが「い」-「く」が同じくらい連なるので許容してuに起きます。

同指との連なりが少ないこと、次を急がなくていいので「。」を@に置きます。

pは特に押しにくいと思っているキーなので単打面にはほしいけどそこまで使わない、「ー」が向いています。なのでpに「ー」を起きます。

余っているqとyはそれぞれの指と連なりが少ない「お」と「あ」を置きます。

 シフト面

ここまで見てくださった方はわかると思うのですが、基本的に押しやすいキーと出現率が高い文字から順番に同指連打が起きないようにおいていってるだけです。なので、ここからはシフト面でも重要だと思われるところだけを紹介していきます。

「り」「じ」などは本来単打面にあってもいいくらいの出現率なのですが、拗音を除くとシフト面に入ります。「ち」はもともとシフト面にあったほうが妥当な出現率ですが、拗音を除くと更に出現率が下がります。

「れ」は「れる」が受動態でよく出てくるので、出現率以上に「る」に繋がりやすいように気をつけています。

「よ」は「よる」が多く出てくるので、繋がりやすいようにしています。

「ひ」は「ひと」が1つという意味や人という意味でよくでてくるので、出現率以上に「と」に繋がりやすいように気をつけています。

「ぶ」は「じぶん」がよく出てくるので、繋がりやすいように気をつけています。

「ぱぷぽ」は、並べることで思い出しやすいようにはしています。

外来音は、打ちにくい場所が多く残っているので、原則として交互打鍵>アルペジオとしています。

小文字は、拗音シフトの同手に順番においています。濁点半濁点もおいています。あとから付け足したくなったときのためです。別の指の余った定義にヵとかヶとかゐとかゑとか置いても良いかもしれません。

最後に

まだ完成と決まったわけではないので色々変わる可能性がありますが、このようにして作られています。配列制作は大変ですね。

追記

2021/05/11版ができたのでこの説明は過去のものとなります。